知っておくべき相続税の基本ルール

相続税は、亡くなった方(被相続人)が遺したすべての財産に必ずかかるわけではありません。遺産の総額が、法律で定められた「基礎控除額」を超える場合にのみ、その超えた部分に対して課税されます。

3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数) 法定相続人とは、民法で定められた「遺産を受け継ぐ権利がある人(配偶者や子どもなど)」のことです。

資産をお持ちの方の場合、預貯金だけでなく、ご自宅や複数の収益不動産、有価証券、自社株など多岐にわたる財産を保有していることが多いため、まずは財産の全体像を正確に把握し、基礎控除額を超えるかどうかを確認することが重要です。

相続税シミュレーションと計算方法の手順

相続税の計算方法は、単純に遺産総額に税率を掛けるわけではありません。以下の4つのステップでシミュレーションを行います。

  1. 課税価格の合計額を出す|プラスの財産(預貯金、不動産、有価証券など)から、マイナスの財産(借金、葬式費用など)を差し引いて、純粋な遺産総額を計算します。
  2. 課税遺産総額を計算する|ステップ1で出した合計額から、上記の「基礎控除額」を差し引きます。この残った金額(課税遺産総額)が相続税の対象となります。
  3. 相続税の総額を計算する|課税遺産総額を、いったん「法定相続分(法律で定められた遺産の取得割合)」で分けたと仮定します。その仮定の取得金額ごとに税率を掛けて控除額を引き、全員分の税額を足し合わせて「相続税の総額」を算出します。
  4. 各人が実際に納める税額を計算する|ステップ3で出した「相続税の総額」を、実際に財産を相続した割合に応じて割り振ります。

シミュレーションと計算における注意点

相続税のシミュレーションや計算方法において、特に注意すべき落とし穴がいくつかあります。

  • 不動産の評価による変動|現金はそのままの金額で評価されますが、不動産は「路線価方式」や「固定資産税評価額」を用いて評価されます。特に、一定の要件を満たすことで土地の評価額を最大80%減額できる「小規模宅地等の特例」が適用できるかどうかで、税額は劇的に変わります。
  • 遺産の分け方(遺産分割案)による税額の違い|「誰がどの財産を引き継ぐか」によって、適用できる特例が変わります。例えば、「配偶者の税額軽減(最低でも1億6,000万円まで非課税となる特例)」をどう活用するかで最終的な納税額に大きな差が出ます。
  • 生前贈与の持ち戻し|亡くなる前一定期間内(法改正により3年から段階的に7年へ延長)に行われた生前贈与は、相続財産に加算して相続税を計算しなければならないルールがあります。

弁護士と税理士が連携|当事務所の相続サポート

上記のように、相続税の正確なシミュレーションや申告には、特例の適用や不動産評価など、高度な専門知識が求められます。また、税金を安くすることばかりを優先して不公平な分け方をすると、後々ご家族の間で深刻な揉め事(争族)に発展するリスクがあります。

弁護士法人いかり法律事務所では、「相続税の節税(税務)」と「親族間トラブルの防止(法務)」の両立を目指し、以下の強みで皆様をサポートいたします。

  • 提携税理士とのワンストップ連携|当事務所は相続に精通した税理士や不動産鑑定士、司法書士と密に連携しています。弁護士が親族間の遺産分割交渉を行い、税理士が正確な相続税のシミュレーションと申告を行うことで、窓口一つで総合的なサポートを提供します。
  • 「二次相続」まで見据えた遺産分割案の提案|残された配偶者が亡くなった時の相続(二次相続)のことまで考慮し、「どう分ければ一番税金が安くなり、かつ揉めないか」を見据えた分割案を税理士と共同でご提案します。

まとめ

相続税の正確なシミュレーションと計算方法の把握は、大切な資産を守り、ご家族に負担を残さないための重要な第一歩です。しかし、不動産の評価や複雑な特例の適用を個人で正確に計算することは非常に困難です。

「自分の財産に相続税がいくらかかるのか試算してほしい」「税金対策だけでなく、家族が揉めない遺産分割の方法を知りたい」

福岡で相続の生前対策や相続税申告にご不安をお持ちの方は、弁護士法人いかり法律事務所へお気軽にご相談ください。当事務所では初回60分の無料相談を実施しております。あなたの大切な資産とご家族の未来の安心を守るために、私たちが全力で伴走いたします。

よくあるご質問

資産が多い場合、相続税は必ずかかるのでしょうか?
相続税はすべての財産に必ずかかるわけではなく、遺産総額が「3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」という基礎控除額を超える場合にのみかかります。ご自宅や収益不動産、有価証券など多岐にわたる財産を保有している場合は、まず財産の全体像を正確に把握し、基礎控除額を超えるかどうかを確認することが重要です。
自分で相続税のシミュレーションをすることは可能ですか?
概算を出すことは可能ですが、正確な計算をご自身で行うのは非常に困難です。現金はそのままの金額ですが、不動産は「路線価方式」や「固定資産税評価額」を用いて評価されます。さらに、一定の要件を満たすことで土地の評価額を最大80%減額できる「小規模宅地等の特例」が適用できるかどうかによって、税額は劇的に変わるため、専門家による判断が不可欠です。
遺産の分け方によって、相続税の金額は変わるのでしょうか?
はい、大きく変わります。「誰がどの財産を引き継ぐか」によって適用できる特例が変わるためです。例えば、配偶者が遺産を取得した場合に多額の非課税枠が設けられる「配偶者の税額軽減」という特例があります。しかし、この特例を使って一次相続(配偶者が相続する時)の税金を安くしても、その配偶者が亡くなった時の「二次相続」でかえって多額の税金がかかるケースがあるため、将来を見据えたシミュレーションが必要です。
生前に贈与した財産は、相続税の計算には関係ありませんか?
生前贈与は有効な節税対策ですが、亡くなる前一定期間内(法改正により3年から段階的に7年へ延長)に行われた生前贈与は、相続財産に加算(持ち戻し)して相続税を計算しなければならないというルールがあります。そのため、シミュレーションの際には、過去の贈与の履歴も正確に把握しておく必要があります。
相続税の相談を、弁護士と税理士が連携している事務所に依頼するメリットは何ですか?
相続税の申告には、税金を抑えるための「税務」の知識だけでなく、親族間の揉め事(争族)を防ぐ「法務」の知識が不可欠です。当事務所では、弁護士が親族間の遺産分割交渉を行って円満な合意へと導きつつ、提携税理士が「二次相続」まで見据えた正確なシミュレーションと申告を行うため、窓口一つで総合的なサポートを受けられる点が大きなメリットです。